2015年3月13日金曜日

雁坂小屋の防災

 東日本大震災から4年。まだ厳しい状況の中で生活されている方々がたくさんおられることに心が痛みました。あのときの映像をテレビで見て、改めて雁坂小屋についても考えてみました。
 東日本大震災の時、小屋付近の震度は正確には分かりませんが震度3くらいでしょうか。秩父市内では震度5弱。大滝が震度3。山梨市三富も震度3でしたので。宿泊小屋は今年で築48年経ち、管理小屋はそれ以前からある古い建物ですが、幸いな事にこの地震の時に被害はありませんでした。驚いたのは管理小屋の高さ2mの場所にある棚。そこに空の酒瓶がたくさん並べてありました。それが一本も落ちることなくそのまま残っていたことです。地震には強い。岩盤に乗っている小屋の強さをまざまざと感じました。空瓶はその後で万一の事を考え下ろしましたが。
豆焼き橋から見た尾根
昨年秋の長野・白馬付近を震源とする地震では携帯のエリアメールが鳴り響き、慌ててとび起きました。安全確認とラジオで被害状況を確かめ、お客様にお知らせした事を覚えています。宿泊小屋やテント場であればドコモの電波がかなり届きますのでエリアメールなども受信できます。何も起こらないのが一番なのですが。
 小屋にとって一番怖いのは火事です。木造の小屋ですので、火を一番恐れています。秩父消防署や関係機関の指導もあり、小屋には火災報知機と消火器を備えています。お客様もテントや宿泊小屋での火気の使用は、くれぐれも気をつけていただきますよう重ねてお願いいたします。
 それから小屋が揺れるような台風も怖いです。尾根の上にある小屋なので豆焼き谷側、水晶谷側それぞれから風が吹き上げてきます。見ていただくと分かるのですが屋根を何本かのワイヤーロープで絞めてあります。暴風雨は登山道も荒らしますので、台風後の倒木処理にも苦労させられます。今後も小屋や登山道などを、皆様に安全に使っていただけるように関係機関とも連絡をとりながら努めてまいります。
 
*これから日中は雪が溶け、夜は凍るので日陰などは道がアイスバーン状態になります。また、雪が溶け乾いてくると、急な斜面では落石などが起こりやすくなります。足元にも頭上にも注意して、五感を研ぎ澄まして山に臨んでください。
*それにしてもあと2週間でが咲くのでしょうか。雁坂のは5月の連休が終わってからです。