2014年12月27日土曜日

サンタクロース その後

「サンタは来るかなー」と、子どもみたいに待っていました。
それで25日の朝になって思い出しました。
クリスマスツリーと、その下にプレゼントの包みが置いてある光景。
我が家は、子どもが大きくなり家を離れてから、サンタクロースはずっと来ていなかったのでした。
ところが、サンタさんからのメッセージがありました。
先週末、20日に川又から突出コースを一人で上がったサンタさんから雪の情報。

『樺小屋に着くころ吹雪になり積雪は膝程度。翌日は前夜の雨でバリ固もなかのラッセル。冬至の前日、陽が短いのに10時間かけて雁坂小屋へ。10時間ずっと左足は谷足、右足は山足。ワカン両足分の幅は取れず、片足がギリでやっと。夏ルートは判然とせず、豆焼き沢の源頭部は久々にキモを冷やしました。本当にやっとの思いで小屋に。さらに翌日、小屋から峠までもラッセルで一時間以上。峠も誰のトレースもありませんでした。』・・・・と。

 地蔵岩を過ぎ巻道に入ってから、トラバース部分は日陰になってしまい雪の時期は大変にしんどいのです。例年だと、正月までは降雪直後は雪があっても、日差しがあればじきに溶けて、小屋の庭はほこりが立つような光景が見られるのですが。今年は例年よりもすこし多い様子。この先29日に降雪の情報も出ているようです。装備などの準備を怠りなくお願いいたします。

*メールでこれを受けているお客様、時々は本来のブログサイトから開いてご覧ください。右側の写真やメッセージも時々変わっておりますので。

2014年12月24日水曜日

メリー クリスマス

これからツリーを目当てに
登ってもありません
    サンタさんがまだ戻って来ません。サンタさんの乗ったそりをひいたのがこの辺りの鹿だったので、トナカイと違い空を飛ぶのが不慣れだったのかもしれません。
と言う訳で雁坂小屋の様子もまだ伝わって来ません。また、サンタさんから連絡がありましたらお知らせします。

 雁坂に近い甲武信の様子は北爪さんのブログに有りましたので、雪の状況など参考にしてください。
http://zumezume.naturum.ne.jp/e2300276.html
また、雁坂小屋と同じくらいの標高にある雲取山荘さんの最新情報も、気温や積雪など参考になります。
http://www1.ocn.ne.jp/~kumotori/

  *今年も多くのお客様においでいただきました。あらためてお礼を申しあげます。
  *雁坂小屋は12月31日は営業します。小屋をあけます。
今ならまだゆっくりとお泊り頂けます。どうぞご利用ください。
【お願い】電話で事前の連絡、確認をおねがいいたします。
      皆様、よいお年をお迎えください。・・・年内に何か情報がありましたらアップいたします

2014年12月14日日曜日

土日の雁坂

 海外旅行に行った訳でも、選挙活動をしていた訳でもなく、風邪をひいてしまい、小屋が休みなのいいことにブログの更新を休んでいました。インフルではなくただの鼻、のど、咳のかぜでした。急に寒くなってきました。これを読んでくさる皆様も十分に気を付けてお過ごしください。
 
 さて、この土日で雁坂に上がったお客様(namifuji様)から写真など送っていただきました。レポート、写真はそのまま拝借しました。

  13日(土)は、昼前から風強くなり、峠は正面から風をくらうと息が出来無いレベルで、とても寒かったですが、雪は降りませんでした。14日(日)は、日の出前の気温(小屋玄関先の寒暖計)はマイナス12度。 小屋の中もマイナス7度前後でした。 
 小屋から近い水場は枯れていないことを確認。また豆焼沢もテント泊のお客さんが水を汲んできたということなので、枯れていないこと確認しました。
 小屋周辺の道は、朝晩はカチカチに固まり、気をつけないと滑りますが、雪はうっすら程度でアイゼンは要らないレベルです。
 
*namifuji様、ありがとうございました。

2014年12月1日月曜日

お客様へ

雁坂小屋は、11月24日をもちまして無事に今シーズンの営業を終了しました。
24日小屋閉め作業を終え、今年の出来事やお客様のことなど思い出しながら、最後に管理小屋のカギをかけて下山を致しました。
今年もたくさんのお客様に雁坂小屋をご利用頂きまして誠にありがとうございました。
小さな小屋ではありますが、お客様が縦の糸に、小屋が横の糸になり、お客様どうしの触れ合いや、暖かく楽しい雁坂小屋での時間を作り出していけるよう努力して参りたいとおもいます。
来シーズンも皆様のお越しをお待ちしております。
                    雁坂小屋 山中五郎
 

    ****雁坂小屋は宿泊棟の一部を冬季開放してあります。****
          以下の事に注意して、ご利用をお願いいたします。

    冬季開放中の小屋使用について
1.   アイゼンは外ではずし、靴のゴミ・雪を落としてからお入りください。
2.   ガスコンロは土間の部分でのみ使用し、薪ストーブは使わないでください。
        火の扱いは最後まで確実に行い、火事を起こさないように。
3.   使用後は畳・板張り部分はごみを掃き、土間部分のゴミも拾ってお持ち帰りください。
4.   大小便は必ずトイレを使用する事。便器などを汚した場合は、その都度掃除をしてください。
   水が得られないので必ずその時に。
   *小屋の周囲の雪は溶かして飲用に使う場合もありますので。 
   *春先、雪の中で変色した「黄金ほり」をする小屋番の事を思い、トイレをお使いください。
5.  小屋・テント場使用の方は封筒に必要事項を記入し、
     一人2000円を、テント場は600円を料金箱にお支払いください。
6. 水場については別紙案内をご覧ください。
7.   破損などがあった場合はすぐに管理者へ連絡をしてください。
          連絡先 電話 0494-55-0456 山中五郎

今後も冬季開放を続けていくためにも、皆様のご協力をお願いいたします。
*点検のために時々は小屋に上がります。何かお気づきのことがありましたらお知らせください。

    水場のご案内
  凍結のため①②の水場をご利用ください。
小屋入口および中により詳しく地図も掲示してありますのでご覧ください。 
   ①川又方向に約250。円型案内板の所を登山道から右に降りて1  (ピンクテープが付けて有ります)
   ②川又方向に約1000。豆焼沢まで行ってください。小屋の水源の沢です。
*凍っていて水が出ていない場合もあります。
*  降雪後は道が凍結し滑りやすいので、くれぐれも気をつけて歩いてください。 
     自己責任で!!

  雁坂にも雪が積もりました

 先日雁坂小屋をご利用いただいたmakasio様がヤマレコに報告されています。了解をいただきましたのでこのブログでもご紹介させていただきます。
  冬季奥秩父縦走(奥多摩駅~甲武信ヶ岳)
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-554729.html

2014年11月17日月曜日

寒気のち熱気、雁坂の夜

 これまで順調に出ていた水が今回の寒気で凍結しました。でも下の水場で汲む事は出来ます。
 15日(土)の朝は-5℃まで下がり、日中も3~4℃。寒くなりました。いよいよ雁坂も冬です。
その、寒くなった雁坂小屋にお客様が、三富から、川又から三々五々登ってきました。
「おー、来た、来た」「やあ、やあ」「あ、お久しぶりです」とか「はじめまして」の声。
 ヤマレコに雁坂の話を書いたり、見たりしているお客様同士が連絡を取り合って、泊まりに来てくれたのです。このような事は初めてです。

何度も通っている常連の方でも、お互いに顔を合わせるのは初めてだったり、今回初めて雁坂に来た方も。テントの受付で誘われ参加したお客様もいらっしゃいました。仕事の都合ですぐに降りなければならないのに顔を見せてくれた方もいて、皆さん本当にありがとうございます。
ようこそ、ようこそ雁坂小屋へ。
 日頃はハンドルネームでのやり取り。でも、この日は顔を合わせて、お酒を酌み交わします。チョコフォンデュ、カナッペ、食材たっぷりの手の込んだ鍋。何種類ものビール、ワイン、焼酎、日本酒、ウィスキー・・・・・。まだ、他にもあったのですが夜になる前からいろいろお酒を頂いてしまい、記憶はあいまい。夜の冷え込みも忘れ、途中からランプも登場し、熱い雁坂の夜は続きました。ただ、覚えているのは楽しかったという事だけ。
・・・・・奥の部屋にお泊りだったお客様、うるさくなってしまい済みませんでした。ごめんなさい。

 翌日、全員で写真を撮り、またそれぞれのコースに分かれて帰っていきました。
「また、おいでください。気をつけてね。ありがとうございました。」
見送る小屋番の胸の中には、熱い熱いものがあふれてきました。ちょこっと涙も。
きっとオーナーの胸の内も同じだったと思う。しばらく二人で黙っていた。余韻を味わっていた。
   写真を撮りましたが、お客様の顔に加工をするのも何だかためらわれ、絵になりました。

*先日このブログのアクセス数が急増。一日で960もカウント。びっくりしました。なんと、Yahooのトップページの動画に雁坂の事が。ここまで読んで何の事かわかる方はすでに見ましたね。
まだの方はぜひ次のアドレスをクリックしてご覧ください。
http://せんてんすくらぶ.net/move_karisakatouge.htm
こちらだと、雁坂への道がいろいろ見る事が出来ます。
話題の動画はここからも見る事が出来ます。
http://videotopics.yahoo.co.jp/videolist/official/others/p28784158dd4bb45e3fc72ff144e560fd

*1~2人用のテントポール1本と収納袋を小屋の中に忘れた方、お預かりしています。
*今年度の営業は24日までです。

2014年11月9日日曜日

見返り、雁坂峠


 『雁坂は峠からの眺めはいいけれど、峠そのものの眺めを楽しめない』という話を聞いた事があります。
 
 多くのお客様は三富から登ると峠で景色を楽しみ、そのまま小屋へ下ります。
 そこで、お勧めするのが『ちょっと道草ルート』
 縦走路を水晶山方向に進みます。鞍部まで下って、道は軽く登り坂になります。しばらく歩いて振り返ると雁坂嶺と雁坂峠を眺める事が出来ます。時々後ろをチラ見し、ちょうどいい場所でゆっくりお楽しみください。左下には青い屋根の小屋も見える場所が所々にあります。こちらもお楽しみください。30分ほど余計にかかりますが、(眺める時間も入れるともう少し多くかかります)・・・・お天気がよく時間にゆとりのある時にはお勧めの場所、ルートです。
 秩父側から登ったお客様は、小屋から「笠取山・雲取山方面」の、左の道を登ります。縦走路に出たら右折して峠に向かうと、雁坂嶺・雁坂峠の景色がお楽しみいただけます。
これは、北杜市からおいでのお客様から頂いた情報です。

*小屋締めまで2週間余りになりました。
この週末もお天気の関係で何件ものキャンセルが出てしまいました。ほんとに今年の後半はお天気に泣かされたました。平日はいいお天気で、金曜くらいから崩れてくるお天気パターンに、まいったね。   あと少し、よしがんばるぞ!!。皆さん、お待ちしておりますよ。

2014年11月1日土曜日

アルプ・山と高原・山と渓谷

 小屋の整理をしていたら【処分品】と書かれた段ボール箱が現れました。開けてみると、雁坂文庫とスタンプが押された雑誌が3種類。しかもナンバーが書かれている物も。(写真はその一部)
 小屋に『雁坂文庫』がある事はブログの右側情報でお知らせしていますが、その中に並べられていた雑誌のようです。
 古い雑誌の入った箱。初めは薪ストーブの焚きつけに使うくらいのつもりでいました。ところが・・・・・
どれも1959年ころ出版された物で、アルプの編集者は串田孫一氏。画文には畦地梅太郎、そして冠松次郎、三宅修、川口邦雄などなどのお名前が。びっくりしました。アルプの中には横山厚夫さんが撮影した雲取山での写真も挟まれています。紙面に掲載する網掛けなどの指示もありました。アルプ等は相当な数がありました。
 山と高原には《山とカメラの雑誌》とあります。山と渓谷は現在まで続いている雑誌です。これらには当時の装備、山の登り方などの懐かしい写真が沢山出てきます。
雲取山

三条ダルミ
その昔、誰かの背中で雁坂に運び上げられた雑誌。詳しい事情は不明です。でも焚きつけに使うことはなさそうです。
“昔ながらの山小屋”から本当に昔が出てきました。そこに歴史的な重さがある事を感じています。
 出版や登山の歴史とか分からないことだらけ。タイムカプセルから現れたこれらの雑誌にどのような意味があるのか、どなたかメールで教えていただけませんか。お願いします。

 *小屋のノートにうれしく有り難い書き込みを見つけました。H市・Ⅰ 様、今度は小屋でおめにかかりたいですね。有り難うございます。お待ちしています。
 *今年は雨に泣かされています。泣きの涙のせいか水だけはたっぷり来ています。

2014年10月29日水曜日

冬近い雁坂


 見上げると青空。そこにカラマツの葉が黄金色の雨になって降ります。風も無いのに、いつまでもいつまでも降り続けます。
足元はふかふかの絨毯に。
 24日(金)から26日(日)までは暖かく、朝も息が白くなりませんでした。大気は澄み、両神山側を眺めると、遠くに谷川岳・至仏山・燧ケ岳・日光白根山などの峰々が。朝夕は陽が当たると山肌の筋が見えるようです。夜は前橋市の夜景が大きく広がります。ただ、日の出だけはドラマチックな朝焼けの雲もなく、あっさりと上ってしまいますが。紅葉はすでに登山口辺りに降りて行きました。
中央奥、右側が谷川岳
日曜の午後からは雨に。
1日違いで、お客様が目にする景色も大きく変わります。一日ごとに変わり、時間ごとに変わる雁坂の景色や音、空気。
 そして27日(月)にお泊まりのお客様は、翌朝-1度の雁坂を体験していただきました。雁坂小屋的には初霜、初氷、初霜柱です。冬近い雁坂小屋です。水タンクの清掃と貯水。薪の準備。冬を迎える作業が続きます。小屋締めまであとひと月。最後までお客様を暖かくお迎えできるよう奮闘努力しています。
*Tさん、Mさん、学生さんを交えての夜の食飲会議は楽しかったです。Fさん、あまり時間が経つと喉が誘惑に負けるかもしれませんよ。きのこ鍋の皆さん、今度は私的にも登って来てください。北杜市の美女の皆さんまたおいで下さいね。皆さんお待ちしています。

2014年10月20日月曜日

きのうの原稿、間違えていました

 10月19日(日)の 氷点下4℃ は間違えていました。
小屋とのやり取りの中で、「4℃」って聞いて、すっかりマイナス4℃と早合点してしまいました。
19日の雁坂小屋の朝はプラス4℃でした。訂正いたします。
これだけじゃ短いので、ちょっと付け足し。

 8月の末だったか9月の初めだったか。
発電機を止めて寝ようと布団に入った時、下からの電話。
「〇〇さんて方、昨日、泊まりました?」
「今日は何時ころに小屋を出ました?」
「ご家族の方から、まだ戻っていないのでと心配して連絡があったので」

しばらくして、今度は秩父警察署から電話。
「〇〇さんの御家族から行方不明の届けがありまして、・・・・・」と。

今度は私が答えた言葉です。警察の方になんと聞かれたのか想像しながら読んでください。

「〇〇さん、○○才、男性、単独です。住所は東京都・・・・、昨日は自宅から三富を経て小屋へ。背丈は大柄、180くらい。がっちりした体形です。髪は短め少し白くなっていました。長袖のTシャツにポケットのたくさんあるベスト。シャツは紺、ベストはベージュ。長ズボンで色は黒。ザックは50リットルくらいのサイズで黒とグレイ。ストック2本。雁坂から雁峠経由で新地平に降りると、小屋を6:15頃出発されました。この辺りは2度目とのことです。特に体調等の異常は感じませんでした。天気は一日安定していました。道も特に荒れているような報告は聞いていません。」
と、まあこんなことをお伝えしました。
 しばらくして、「自宅に戻られたそうです。お騒がせしました」と警察から連絡があり、一件落着。
どんな事情があったのかは伺えませんでした。

 お客様が小屋に着いて受付の時いろいろ書いていただきます。その時「この辺りよく来るんですか」とか「今日、○○のほうの道のどうでしたか」とか、あれこれお伺いします。
またビールなど買っていただくと、またまた話しかけてしまいます。
単独でテント泊の方などは、テント場に行ってしまうと最後、なかなか記憶に残らない方もいるものですから。朝、出発の際もなるべくお見送りをしようと心がけています。
何かあっては困ることだけれど、もしもの時には記憶を呼び出すために、しゃべっちゃいます。
ま、それだけじゃなくて、元々お客様としゃべるのが好きなんですけれどね。

*これから日暮れが早くなります。家で待っている人は暗くなると余計心配になります。下に降りたら先ずは家族に連絡をお願いします。そのあと“赤ちょうちん”に寄るのは勝手ですから。
*雁坂小屋のある場所は
   埼玉県側は秩父警察署 0494-24-0110  山梨県側は日下部警察署 0553-22-0110
   が管轄になります。でも、お世話にならずに済みますように。

2014年10月19日日曜日

氷点下4℃

  台風の行方がどうなるのか、雨はいつから降るのか、・・・・このようなお天気の事を気にする必要のない土日になりました。風もない。快晴。いいお天気。こんなお天気はしばらくぶりです。小屋番のオーナー、ゴローさん、『晴れ男』に大変身です。 
 先週の『今季最大・最強の台風』も、お陰様でほとんど被害がなく通り過ぎてくれました。水源からの水は、益々元気さを増し、流れて来ています。

 紅葉は、小屋よりも下に移って行きました。だるま坂、樺小屋、突出峠辺り。黒岩コースでは、あせみ峠から黒岩辺りが見ごろです。

 陽が出ているうちは暖かく、大汗をかくほどでもなくなり、歩きやすいです。休むと、汗をかいた分がスーと冷えますが。
  また陽が傾くと、徐々に冷え込んできます。19日(日)は小屋でマイナス4℃まで下がりました。行動中はこまめに重ね着で調整してください。 
まだ、紅葉は楽しめそうです。それに長い夜もマキストーブの脇で楽しめますよ。お待ちしています。

2014年10月13日月曜日

ようこそ、会津駒ケ岳さん



水晶谷を雲海が埋め
雲を染めて朝日が昇る
雲海に浮かぶ島のような両神山と
はるか向こうには尾瀬の山並みも
紅葉の季節、しかも3連休。それなのに先週に続いて、またも今年最強と付く台風が。煙突を針金で固定したり、吹き飛ばされては困る物をしまいこんだり。台風に備えました。
 初めの予報よりも台風の速度はゆっくり。雁坂は暖かめで、朝の冷え込みも7℃まで。水もたっぷり出ています。
  日曜の朝には小屋の両脇に雲海が発生。団体のお客様には出発予定時間を少し延ばしてもらい、日の出ショーに付きあって頂きました。山で泊まった者だけが味わう事のできる楽しい時間です。

 空気が乾き、遠くまで山並みを楽しめます。138km離れた『会津駒ケ岳』も小屋の庭から眺めることができました。
 この連休中に御予約いただいた十数組のお客様が、台風の影響でキャンセルに。小屋にとっては厳しいけれど、「ご安全に」が雁坂の願い。また次の機会においでください。お待ちしております。紅葉は、台風の風がどう吹くかで変わってきますが、今回もたいした被害が出ないことを願っています。

*登山道に落ち葉が溜まる季節になりました。路肩や小岩を隠します。1日歩き、疲れてくる下りの道では、勢いよく足を踏み出し、踏み抜きやすくなります。転倒、捻挫や路肩からの転落など思わぬ大事故になりやすい時です。 ゆとりを持って歩いてください。
*登山地図の昭文社の方が、突出コースの『水の本』のことで訪ねて来て頂きました。今は雨のあとで水が出ているものの、汲めるような状態でもなく、枯れてしまうことも多いので、水の本の名前は残して、丸水マークは外していただくように、改めてお願いいたしました。
*埼玉県警山岳救助隊ニュース 秋号が更新されました。酉谷山など考えている方、必見です。http://www.police.pref.saitama.lg.jp/kenkei/soshiki/shinsei/pdf/2014akigou.pdf

2014年10月4日土曜日

小屋辺りまで紅葉が

4日の黒岩付近の紅葉
ドングリを食べた跡
 御嶽山の噴火から1週間が過ぎました。朝刊には犠牲になった方の顔写真と日常の様子が記されていました。それぞれが過ごしていた時間が、生活が、突然に途切れてしまった悲しさ、虚しさ。なぜあの日、あの時間だったのか。・・・・・・・・
心からお悔やみを申し上げます。

 『大型で非常に強い台風第18号』が接近しそうです。小屋からは紅葉の写真が届きました。小屋のあたりでも本格的に紅葉が始まってきました。もう1枚はゴローさんが見つけた、動物の食事跡。ブナの多い登山道ではこの時期によく見られるそうです。これは熊ではなくて鹿のしわざ。猟期が近づき、近頃ウキウキしているゴローさんからの報告でした。
和名倉山・唐松尾山方向
両神山方向
小屋で、『あの山は何?』と
お客様からよく聞かれ、今まではずっとお答えできませんでした。
小屋からの眺めをカシミールで再現してみました。実際とは多少違いもあるでしょうが、参考にしてみてください。印刷して小屋にも置いておきます。これから、空気が乾き、晴天のときには、日光白根山、尾瀬の燧ケ岳や至仏山、谷川岳方面も望むことができます。
*台風、大暴れしないで過ぎてくれるといいんだがな。

2014年9月28日日曜日

雁坂の紅葉は・・・・

地蔵岩方向から見た小屋
御嶽山の噴火は大変な驚き。ニュース映像を見て、自分がその場にいたら、何ができて、どのように動くだろうかと考えた。また、この1年で顔なじみになったお客様の事も気になる。もしかして紅葉を求めて御嶽山に登っていたら・・・・と、案じたりも。
峠ではリンドウが今年も
小屋からは『秋の晴れ男』になったゴローさんから、地蔵岩方向の尾根も、所々色づいてきている、と連絡。今年は、やはり紅葉は早い様子。雁坂嶺から峠周辺、途中の突出や黒岩、そして川又や三富の登山口まで考えると、10月中は、紅葉が楽しめそうですが、小屋や峠あたりは10月の3連休ころがいいかも。自然が相手なので、確約はできませんが。
 ちなみに『奥秩父大滝紅葉まつり』は10月24日(金)からです。
*お彼岸も過ぎ、陽が出ている間は暖かいのですが、夕方になるとグっと寒くなってきます。夜も晴れれば5度まで下がります。
*防寒着、カイロなど寒さ対策をお忘れなく。
*日帰りの方もライトを忘れずに。電池も確かめましょう。
*隣の市にお住まいのMさん、今回は晴れましたね。よかった・・・・。
*なぜだろう?9月16日の『少し寒くなってきた雁坂』は普段の倍のアクセス数を記録中。
*お泊りのお客様に、ブログの事をご存じか伺っています。「知っていますよ」「来る時、見てきました」「いつも読んでいます」などと、有難い返事が返ってきています。

2014年9月24日水曜日

おもいを背負い

和名倉山の肩から日が登る(峠より)
雁峠に向かう女性のお客様、二人。
 昔から山を歩き、海外の山にも登られたとか。「奥秩父はいいコースなのよ。もっとこうなれば・・・・」と熱く語られるのは70代半ばのお客様。行政の動きやお金の裏付けがなく「そうですね」とお返事できなかったけれど。「雁坂と雁峠の間がまだつながっていないの。だから、どうしても歩きたかったの」と早朝に出発して行きました。有難うございました。どうぞ、お気をつけて。奥秩父の道が1本につながりましたでしょうか。

雁峠へ行く道から見た小屋

 早い時間に甲武信から来た40代?のお客様。、三富へ下るとの事。三富のつもりが小屋へ来てしまった。案内板を見ながら話すうちに、「雁峠・・・・。友人の思いの・・・・。ここへ来たのも、あの人の導きかしら」と涙目に。甲武信からの時間、装備の様子を見て、雁峠から新地平への道もご紹介。古礼山からの眺め、上から見る雁峠と笠取山の景色など。「彼女、今年亡くなったの」と言葉を残して雁峠に向かわれました。雁峠のベンチで心の友と再会できたでしょうか。
  また、雁坂小屋へおいでください。話の続きを聞かせてください。
*飛び石連休中、朝方の気温は5度~8度。日中は8度から陽が出ると12度くらい。
*気の早い木が、いくつか色づき始めました。例年より紅葉は早いかと思います。
*おもいを背負い、汗びしょになって登る小屋番。休む時、陽のあたる所に腰を降ろしている事に気づき、季節の移りを感じました。小屋番の「おもい」は、背負子につけたビールの箱です。
*水は順調に来ています。ストーブの薪も勢いよく燃えて秋の雁坂になりました。

2014年9月16日火曜日

少し寒くなってきた雁坂


本当はもっと感動的な
空の色です
連休の雁坂は少し冷え込み、朝方の気温が8~9度 。夜は少し薪を燃やしました。天気は不安定で、降らなけれど時折出るお日様が暖かく感じる13度くらい。
 14日(日)には『第17回 雁坂峠越え秩父往還142km』という大会が行われました。甲府駅をスタートし42km地点である雁坂小屋も関門に。250名の選手が川越市のゴールを目指して通過して行きました。私の顔を見て微笑んでくれる方が数人。「ブログ、見てますよ」と声をかけていただき、選手を応援するつもりの私が逆に応援されてしまいました。有り難うございます。
 夜は霧が晴れて、小屋にお泊りのお客様と、群馬方面の夜景や、林の中に潜む鹿の目がライトで光るのを見たり、朝方は出発の準備の傍ら、赤く染まる東の空を楽しみました。
 どうもすっきりしない秋の始まりですが、いくつか紅葉も見られ、雄鹿の求愛の鳴き声も聞こえ始めました。昼間歩いていると暑いのですが、朝夕は寒くなります。おじさんは今週末はタイツとカイロを持って登ります。お客様も寒さ対策をお忘れなく。今度はいいお天気になって欲しい。
*徐々に日暮れが早くなっていきます。早めに小屋に着くようにお願いいたします。
*ふもとに降りたら、「無事に下山したよ」と心配している家族に一言連絡してくださいね。

2014年9月8日月曜日

気持ち、晴ればれ

  9月になっても「よく降りますね」があいさつ言葉に。でもこの土日の雁坂は、降っても気持ちは違いましたよ。嬉しいビックリ、ビックリの連発。
 土曜の朝、屋根のペンキ塗りに取り掛かろうとした時オーナーから電話。こんな早い時間、電話から聞こえてきた声は何とF さん。先週日帰りで首長麦酒を飲みにおいで頂いたばっかり。それもこれから“突出コース”を登ると言う。
昼過ぎにテント張って、さっそくFさん、小屋泊まりのお客様と「遠い居酒屋」開店です。ガスって仕事にならず店主も参加。そのうち、テントをツェルトにし、「荷を軽くした分ワインを持ってきました」とやる気満々のお客様も。降ってきたので小屋の中にお店を移動。その間にもお客様がおいでになります。先月もおいでになり、今年3回目のMさん。天気が悪くなる事が予想できながら、テントを張っていただく。小屋番としては 「有難い」としか言いようがない嬉しさ。
 最後に予約のお客様を迎えたときに、またまたサプライズ。「こんにちは」と、おいでになったのは顔なじみになったTさん。「あ、いらっしゃい、ようこそ」と、あいさつしながら、まだ来ない予約のお客様「T様」を気にしていた。が、「えーっ、T様って、もしかしてTさんのこと??」これには驚いた。頭の中、真っ白になりました。アルコールのせいだけではない。予想もしていなかった出来事。そしてTさんの奥さんには、自分たちのの分より先に、お客様や私にまで料理を振舞っていただく。見た目も味わっても美味しい。ボリュームたっぷり。おまけにおいしい瓶まで頂いてしまった。持ち込み自由の居酒屋は最高潮。お料理おいしかった。お酒もおいしかった。
 そして気がついた。これだから雁坂の小屋番はやめられない。降るとわかっているのに、小屋に登ってきて頂くお客様がいてくださる幸せ。本当に有り難うございます。消灯を待っていたかのようにトタン屋根にたたきつける激しい雨音になった。テントやツェルトは大丈夫かな?
 そしてもう一つ気がついた。そんなこんなで朝から心の動揺が続いた小屋番は、小屋の中に入ってすっかりカメラの事を忘れていた。大盛況の居酒屋の写真が1枚もない。やむなく絵でご勘弁を。カウンターにずらりと並んだお酒。自由に注いで楽しみます。上右から白ワイン、赤ワイン、角瓶に入ったヒゲのニッカ、バーボン、その奥は水割り用の水、ウィスキーのイチロー、手前の左ブランデー、右焼酎(名前は忘れてしまったけれど美味しかった)・・・・
「プハーッ」はお客さんがノートに残してくれたイラストです。この感じで楽しんでいました。
 
*前回の虹の写真を送っていただきました。1枚目、虹が2重になっているのがわかりますでしょうか。不安定なお天気は時にこんなきれいな一面も見せてくれるから、山は楽しいです。

*日頃お世話になっている秩父環境事務所のページを覗くと「平成26年 秩父地域山岳遭難発生状況」という報告がありました。秩父エリアだけで半年間に6名の方が命を落としています。ファイルをご覧ください。特に遭難事故原因は、ご自身の山歩きにも重ねて考えてみる部分でしょうか。http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/634826.pdf

2014年8月31日日曜日

虹がかかる


  8月最後の土日。
 「オレは雨男だから・・・・」。お天気を心配しながら小屋に上がったゴローさんから、小屋に着いて直後に送られてきたのは『虹』。雨が上がり、小屋にかかる虹。何かいいことがありそう。

 そして日曜午後の連絡で、嬉しいお客様が次々においでいただいたそうです。お客様と撮影した『虹』の比べあいもしたようです。いい写真ありましたら、メールでお送りください。

 昔から通っていただいているお客様の口コミ(ヤマレコ、コミ?も含め)で、雁坂に来ていただき、峠や小屋の良さを感じてもらい、また次のお客様へと広げていただいています。小さな小屋にとって、こんなに嬉しいことはありません。

 「首の長いビールを飲みに来ました」とか、隣の小屋から足を延ばしてきましたとか・・・・・・遠い居酒屋のために寄っていただいたり。皆さん本当にありがとうございます。

*小屋の気温 明け方は11℃。でも夕方のほうが寒く感じたそうです。徐々に秋です。
*過去のページに写真が表示されない部分がありましたが、ようやく元に戻りました。
*昨年8月24日にこのブログを始め、これまでにのべ23000回以上開いていただきました。

2014年8月24日日曜日

夏の忘れ物をしたような

 日中は暑さが残っていますが、夕暮れも早くなり、気が付くと虫の音もにぎやか。この夏は雨が多く、思い切り夏を満喫しないまま、何か物寂しい気分を残して季節が変わろうとしています。夏の忘れ物があるような気持ちになります。忘れ物を見つけに雁坂に来ませんか。
 ところで、自己紹介に書いていますが、雁坂に関係するヤマレコの記事を拝見しています。先日お泊りのお客様。突出峠コースを川又へ下る途中の『水の元』で「名前負けしている・・・」とのご指摘がありました。あ、その通りです。前から気になっていたところ。地図に丸水マークはあるものの、現状は杉林の中に水がしみ出ている状態。もう何年も、いや何十年も前からかな。雨の直後は別にして、音を立てて流れている訳でもなく、パイプなどの設備もなく、とても水場としては使えない。びちゃびちゃとした場所。お地蔵様を拝み、靴を汚さないよう通過する状態になっています。それで、丸水マークがあると初めてのお客さまが当てにした場合、心配があるので、現場を見て検討をしてほしい。と・・・・山の地図を作っている「昭文社」と「山と渓谷社」にメールを送りました。返信には「今後の編集の参考にいたします」と。地図が変わりますかね。小屋の道標には写真のように一言付け加えました。
*雁坂に夏の忘れ物を見つけに来たのに、秋の気配ばかりだったらゴメンナサイ。
*小屋の外壁、8月4日と比べてみて下さい。

2014年8月16日土曜日

雁坂の夏 ウーム・・・

今までご苦労様でした
新人。実力は管理
小屋で実証ずみ
今回の台風は道を荒らしました。緑の葉の付いた、たくさんの小枝や腕ほどの太さの枝が道に溜まっていました。荷を背負いながら道下に片づけて登るのは結構大変。また、大きく道をふさぐ倒木も発生。順次片づけていきますが、しばらくはご迷惑をおかけします。「こら!台風!」でも、「水、ありがとう」
 お盆休暇のお天気は、ウーム(雨・霧)でした。天気予報は『曇りのち晴れ。所により雨』・・・・どっちなの?晴れるの、雨。雁坂は、シトシトと降りました。予定していた寝具干し、屋根のペンキ塗りもできずストーブだけ交換しました。
  そのような雁坂小屋に「これがあのドラム缶?」と大阪からのお客様。ブログ読んでいただいたんですね。感謝。また地元小3男子のリュックから最初に出てきた荷物は、何とラジコンカー。おじさんはビックリ。参りました。
お盆で里帰りした兄妹と同様、いつでも
全員が顔をそろえているわけではありません。
至福の時。今年はグラスに水滴が。
F様ごちそうになっています。角瓶に
入ったヒゲと大人の贅沢も美味。
テントの方も、靴が濡れ、衣類が濡れ、眺めも望めない、さんざんな雁坂になってしまいました。でも、これに懲りず、青空と白い雲と、さわやかな風を感じに、またぜひおいでください。テントのお客様、これからは薪の燃える音を聞きながらストーブの脇で過ごすのもいいものですよ。ぬくぬくと。文庫本を開いて。
 *リクエストにお応えし、首の長いビールもそろいました。
*昔の水源からの水がたっぷり来ていて、グラスに水滴が。
*明け方は13~15度。日中は18~22度くらいでした。