2013年12月25日水曜日

雁坂付近の雪、気温は

 今年も残り1週間になりました。
峠や小屋の雪の状態などの問い合わせをいただきますので、わかる範囲で載せておきます。
雁坂周辺の山小屋情報を、ネット上で集めました。参考にしてください。

 甲武信ヶ岳の北爪さんのブログによると、22日23日の荷揚げの時の様子で、毛木平で積雪20cm 気温-8℃  源流標柱付近で40cm 吹き溜まりでは太ももまであったようです。甲武信小屋で60~70cm 気温-14℃との事でした。縦走を考えている方は輪かんじきやスノーシューが必要・・・・との事でした。
詳しくは北爪さんのブログを。  http://zumezume.naturum.ne.jp/

 笠取小屋の登山口作場平で21日に、4WDのタイヤが半分埋まるくらい。小屋で40~50cm位との写真と書き込みがありました。 http://kasatorikoya.com/bbs/

 雲取小屋周辺では50cm位。最低気温-9,9℃(24日)http://www1.ocn.ne.jp/~kumotori/kumo_hp_2.htm

 
 雁坂小屋では14日にお泊りになったお客様のヤマレコ情報で気温は-12℃。
この時はまだ雪はさほど深くありませんでしたが、そのあと19日に降り黒岩コース登山口では25cmになりました。小屋や峠付近はどのくらいになったでしょうか。

 冷え込みが強く、日中でも氷点下のことが多く雪は解けないと思いますので、積雪や厳しい冷え込みに十分備えた装備で上がってください。

2013年12月20日金曜日

雁坂峠を縄文人が歩いた??

左の解説の
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 雁坂峠に大きな看板が設置されています。もう何年も前からある物で、今までも見たはずでしたが、今年の秋に改めて読んでみました。
そして、「縄文中期の遺物や中世の古銭類も・・・・」と言う記述に目が止まりました。(右の部分的拡大写真の所)
 
これって『雁坂峠を縄文人が歩いたってこと?』
いや待てよ、秩父往還の歴史とあるし・・・・峠とは限定していない?
  そこで探してみると、いくつか面白い記述が見つかりました。
峠の下を通る「雁坂トンネルの公式サイト」には 【峠より出土した遺物より、縄文人が雁坂峠を越えて行き来したと考えられる。】と出てきました。
http://www.fruits.ne.jp/~karisaka/kaisakapass_history.html
  また、大滝道の駅にある「大滝歴史民俗資料館」には次のような記述が有りました。② 秩父往還……雁坂峠は日本三大峠の一つに数えられ、その頂からは縄文時代の石器や峠越の安全を神様に祈願した古銭類が出土しおり、その古さを物語っています。 http://www.city.chichibu.lg.jp/menu4522.html
 更に、「やさしいみんなの秩父学」という秩父検定公式テキストの67ページには「峠の歴史は古く、峠付近からは縄文時代の遺跡や古銭類も発見されている。」と。
 この他にも秩父の峠や歴史を記した本から、同じような表現が見つかりました。
これはやっぱり雁坂峠を縄文時代の人も歩いていたということか。
そう考えると、峠に立って風にふかれる時の心持も変わってきます。

 発見された物がどの様なものか見たい。どこに行けば見ることができるのかな。
(次回以降に続く)

*19日の降雪で峠や小屋の付近はかなり降ったものと思われます。 19日木曜日の午前、川又で12cm 黒岩コース登山口で25cmありました。
 冷え込みも厳しくなって、14日にお泊りになった方のヤマレコ情報では-12℃まで下がったようです。入山される方はアイゼンをお忘れなく。

2013年12月8日日曜日

幻の映画デビュー

『春を背負って』の映画化!!!
撮影順調。来年6月全国公開!!!

えー、奥秩父の山々が映画になるのか?  と、喜んだのもつかの間。
舞台が北アルプスの立山。なんで、立山なんだ。  梓ではなくて薫小屋だって??
奥秩父は???。
奥秩父は映画(絵)にならない?? ゥ ン?

 この物語は、北アルプスでもなく八ヶ岳でもなく、奥秩父だからこその味わいがあると思っていたのですが。
「春を背負って」の中にも、次のようなゴロさんの言葉が出てきてるだけに、何か残念な気分です。
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美由紀が張り切った声を上げる。
「ヘリで荷揚げするなんて、北アルプスの山小屋みたいじやない。梓小屋もいよいよ新時代に突入だね。」

ゴロさんはさっそく突っ込みを入れる。
「北アルプスが格上のようなことを言うなよ。うちはたかだか五、六十人で満杯の狭苦しい山小屋で、見た目も貧相だし、しゃれた設備があるわけでもない。しかしそういう小屋にもブライドってものがある。奥秩父のような地味で野暮ったい山に好きこのんで足を運んでくれる客がいるわけで、そんな人たちを心を込めてもてなす仕事は、伊達や酔狂でできるもんじやない。」

「わからないでもないけど、そういう言い方されるとかえってプライドが傷つくよ。もう少し気の利いた表現があるんじやないの。」

「たとえばどういう表現だよ」

「素朴な味わいを残すアットホームな山小屋とか、心に沁みる深山の魅力とか」

「なかなかうまい文句をひねり出すじやないか。さすがに元なんとかデザイナーだな」
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 *映画の事は『春を背負って』で検索をすると、本よりも先に出てきます。

 

2013年12月5日木曜日

セイちゃんのお勧め 「梓小屋」

 小屋閉めの日。テントのお二人。他県からと覚えていたので、「奥秩父にはよく登るんですか」とお聞きしました。「これが2回目。最初は雪が残る甲武信から大弛まで歩きました。富士山がきれいでしたよ。」との事。甲武信から大弛までの道は、距離が長く、他と比べ歩く人も少ないコース。「雪が残っていると余計に大変だったでしょう。」と話した後、「梓小屋」のご紹介をしました。

 『梓小屋』という山小屋をご存知ですか? 梓小屋と言うと、長野県の松本方面、北アルプスにある小屋のようにも感じますが。その小屋は甲武信ヶ岳と国師ヶ岳を結ぶ稜線の、ほぼ中間から長野側に少し下った沢の源頭にあります。千曲川支流、梓川の谷の上部に位置するので梓小屋と名付けられました。周囲には見事なシャクナゲの群落があり、小屋主はまだ若い長嶺亨さん。スタッフは経験豊富なゴロさんこと多田悟郎さんと、若い高沢美由紀さんの3人。

 と、書いていくと本当にこの小屋が存在しそうです。実は笹本稜平さんの『春を背負って』 (文藝春秋) という小説です。昨年2月、日曜の夜。NHKラジオ「新日曜名作座」を聞いていたセイちゃんが、「ウン?、これはいい」と興味を持ち、NHKに問いあわせて本を取り寄せたそうです。
『面白いよ、読んでみなよ』と渡された本には甲武信ヶ岳から大弛小屋辺りまでの地図のコピーが添えられていました。話に出てくる地形の描写などを「この辺りかな?」と地図に重ねて読み、自分が歩いた時の記憶も重ねると楽しさが膨らみます。
文藝春秋
規模も置かれている環境も雁坂などと同じ小さな山小屋を舞台にしたお話し。北アルプスのような派手さは無いけれど、奥秩父の山と谷の良さを感じて、「昔ながらの」が枕詞につく雁坂小屋に足を運んでくれるお客様との触れ合いも重なってきます。読み進めるうちに心がほわーと優しくなってきます。「春になったら、また山に行きたい」と思いますよ。
雁坂小屋スタッフ「セイちゃん」お勧めの一冊です。
もちろん小屋にも置いてありますよ。
ちなみに、雁坂小屋のオーナーはゴローさんです。
 
 それから前回の話で、LArcさんに『小屋閉めの作業お疲れ様です。』の言葉と合わせてバナナをいっぱいいただきました。3日前に背負い上げたバナナはすでに寒さのため皮が真っ黒になっていました。LArcさん、どうもごちそうさまでした。